14歳のプリシラが誰もが憧れたスターと出会い、恋に落ちて、嫉妬して、幸せな日々を過ごして、支配されて、自分の生きる道を探っていく物語。
フェミニンな美しさを持つ映画だなと思った。光と影の使い方や、緻密に計算されたショットによって少女の心情を語っていく。衣装や美術など、セッティングされた美だけで画面を埋め尽くすことは、ありのままを写した美しさとはまた違う魅力があるなぁ
エルヴィスはプリシラのことをある種の所有物として扱っているんだけど、それは愛やリスペクトの欠如を意味しない。2人の関係は倫理に則ったものでないのかもしれないが、一つのパートナーのあり方の範疇だと思う。
ラスト、彼女が家を出る時に流れる「I will always loves you」は2人の決別の歌としてはミスマッチのようにも思えるけれど、彼女にとってのエルヴィスという存在についてこれ以上ないくらい正確に表しているようにも感じた。