終始暗い雰囲気でストーリーは進みます。前半は取り留めのない暗さ、後半は緊張感のある暗さ、でも人が触れないように生きている領域に踏み込んでいます。誰でも本音と建前を使い分けてますが、その最たるものかもしれません。
嫌なものを嫌と割り切ってしまえば、家族や我が子すら否定してしまうことになります。逆に嫌なものの解釈を変えて頑張っても、結局は自分に嘘をついているので精神が崩壊してしまう。そんな答えのない状態をうまく表現していて、深層心理にダイレクトに問いかけてきます。
考えても仕方がないことは沢山あります。そんなことばかりに焦点を当てて憂いながら生きるより、どうでも良いくらいに考えて生きないと幸せになんてなれませんね。少なくとも人生って、縁あってぶち当たる迷いを処理しつつ、何とか生き続けるものですもんね。