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月
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目次

月の作品紹介

月のあらすじ

そして、その⽇は来てしまった。 深い森の奥にある重度障害者施設。ここで新しく働くことになった堂島洋⼦(宮沢りえ)は“書けなくなった”元・有名作家だ。彼⼥を「師匠」と呼ぶ夫の昌平(オダギリジョー)と、ふたりで慎ましい暮らしを営んでいる。施設職員の同僚には作家を⽬指す陽⼦(⼆階堂ふみ)や、絵の好きな⻘年さとくん(磯村勇⽃)らがいた。そしてもうひとつの出会いーー洋⼦と⽣年⽉⽇が⼀緒の⼊所者、“きーちゃん”。光の届かない部屋で、ベッドに横たわったまま動かない“きーちゃん”のことを、洋⼦はどこか他⼈に思えず親⾝になっていく。しかしこの職場は決して楽園ではない。洋⼦は他の職員による⼊所者への⼼ない扱いや暴⼒を⽬の当たりにする。そんな世の理不尽に誰よりも憤っているのは、さとくんだ。彼の中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていく――。そして、その⽇はついにやってくる。

月の監督

月の出演者

原題
公式サイト
https://www.tsuki-cinema.com
製作年
2023年
製作国
日本
上映時間
144分
配給会社
スターサンズ

『月』に投稿された感想・評価

symax

symaxの感想・評価

3.9
"かつてあったことは、これからもあり、
かつて起こったことは、これからも起こる…"

"書けなくなった作家"洋子は、生活のため重度障害者施設で働き始めた…

そこは森の中にひっそりと建つ…そう世間から隠された場所…

徐々に見えてくる施設の本性…そして、徐々に見えてくる自らの本性…

"ここにいる障害者たちは幸せだと思いますか?"


あの事件を真正面から捉えた本作…毒を吐きまくる場面場面に目が釘付けになり、その毒に心がやられてしまう…

宮沢りえをはじめとする全ての演者の熱量が凄まじく、その演技に圧倒されました。

建前と本音をモロに見せられる…後半、洋子はさとくんと話しながら、実は自分自身の本音と対話する演出は秀逸…いびつで危険な考えでありながら、何処か健常者の本音とも言える言葉一つ一つは観客の心を掻きむしる…

兄が障害者である私は、所謂"きょうだい児"…兄がいる障害者施設を訪れる度に複雑な思いを抱いていた事を思い出し、胸が引き裂かれ画面を直視出来なくなってしまいました。

ただ本作の施設はあまりにも暗く、息苦しく、ホラー映画の舞台となりそうな演出はどうかと思いますが…私が知っている施設には、本作のような場所は一つもありませんでしたので…まぁ、怖い思いは何度も経験しましたが…

投げかけられた質問は、劇中にはその答えはなく、観た者がそれぞれ考え、感じて答えを見つけなければなりません…

絶対に観るべき作品ではありますが、もう一度観たいとはならない苦しい作品であります…
ぶみ

ぶみの感想・評価

4.0
2023年、世に問う問題作が放たれる。

辺見庸が上梓した同名小説を、石井裕也監督、脚本、宮沢りえ、磯村勇斗主演により映像化したドラマ。
重度障害者施設で働くこととなった女性と、彼女の同僚等の姿を描く。
原作は未読。
主人公となる元有名作家・堂島洋子を宮沢、洋子の夫・昌平をオダギリジョー、施設で働く青年・さとくんを磯村、同じく施設で働く女性・坪内陽子を二階堂ふみ、施設長をモロ師岡が演じているほか、板谷由夏、鶴見辰吾、原日出子、高畑淳子等が登場。
物語は、実際に起きた障害者殺傷事件を題材とした小説をベースとしており、新しく施設で働くこととなった洋子が、施設内での入所者に対する不当な扱いを目の当たりにして悩む姿と、正義感や使命感が狂気へと変わっていくさとくんの姿が中心に描かれるのだが、モチーフとなっている事件については、記憶にまだ新しく、強烈な印象をもたらしているものであり、世間を騒がしたのが、つい昨日のことのよう。
裏を返せば、人間、喉元過ぎれば熱さを忘れるではないが、当時、メディアがこぞって報道したものの、そうでなければ、既に過去のことかのようになってしまうのが、本事件に限らず、社会の常。
そんな記憶を思い出させてくれる本作品、まず特筆すべきは、人里離れた森の中で行われていることを目の当たりにした洋子を演じた宮沢や、徐々に狂気が表面化し、凶行に至るまでを具に体現した磯村を筆頭としたキャストの演技力であり、スクリーンからでも、並々ならぬパワーを感じさせてくれるもの。
特に、序盤にある二階堂演じる陽子が、酒の力を借りて、日頃感じている思いをくだをまきながら吐露するシーンは、絶対その場にはいたくないなと思わせるほどの嫌な空気感を醸し出しているとともに、時折、心が変化する様をカメラが回転する演出で表現していたのが印象的。
何より、本作品が凄いのは、観ている側に、所謂優性思想的な考えを、表向きには思ってもいないと言いながら、本当にそれが本心なのか、はたまた、臭いものには蓋といった、物事の本質には気づいていながら、気づいていないふりを取り繕っていないか、といった人の心に潜むタブーをストレートに抉ってくること。
例えば、「障害を持った子であることがわかっていた場合に、産みますか」と問われた場合、「はい、産みます」「いや、産みません」の答えをとりあえず出すことはできるのかもしれないが、それは所詮自分事として捉えているわけではなく、実際にその立場になってみないことには、どんな感情が湧いてくるのかわからないもの。
これは、以前、是枝裕和『怪物』のレビューでも書いたように、「相手の立場になって」「人の気持ちに寄り添って」と言った言葉は軽々しく言えるものではないし、一面だけを見て「あの人はかわいそう」などと言う言葉や感情は、そう思うことで、自分が優位に立ちたいだけのことでしかなく、かわいそうかどうか、幸せかどうかは、本人が決める(感じる)もの、本人にしかわからないものであって、他人にとやかく言われる筋合いは全くない。
本作品を観て、どんな感情が湧き上がってくるのか、それを本心として捉えることができるのか、そんな心情に向き合う度量が問われ、受け入れるか否かは別として、素直に見つめなければならなくなるとともに、鎌が月に見える演出が忘れられない良作。

また、月が追いかけてくる、急がないと。
石井裕也監督は、「川の底からこんにちは」や「舟を編む」や「乱反射」が好きです。音楽の岩代太郎は近年、日本映画界でも益々実績を積み上げてますね。
原作は、相模原市の知的障害者施設で実際に起こった、元職員により19人もの患者が殺害された事件を小説にしたものですね。でも、この原作と本作品はかなり解離していると思います。小説では身動きできないキーちゃんの一人称視点で、サトくんを捉えて行きますし、その他の設定もあれこれ変えられています。でもそこは別物として自分は立派な映画だと思いました。
本作品の公開までには、プロデューサーと石井監督の、しれつな攻防戦が展開された様ですね。編集作業も終わり最後の音入れの段階で、KADOKAWAから製作中止の通告があったとか。「障害者を映画に出すな!」などの世間の批判の可能性や、演出をもっとソフトにせよとかあれこれ足を引っ張られた様ですね。結果スターサンズの単独配給での公開に漕ぎ着けたらしいです。
そんなこんなを掻い潜って出会うことができた本作品は、自分にとって確り記憶に残る2時間24分でした。磯村勇斗、二階堂ふみ、宮沢りえ、オダキリジョーはブラボーを贈ります。
先ずもって、火中の栗を拾う的な題材にトライしなければ、議論も表現のクオリティーも高まって行かない。かなりの日本映画のヒット作品は薄っぺらな当たり障りのないものばかりです。自分はその事を大事に思います。

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2018年10月06日

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配給:

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