オトメチカ

アントニオ猪木をさがしてのオトメチカのレビュー・感想・評価

アントニオ猪木をさがして(2023年製作の映画)
2.0
猪木少年時代を振り返るブラジル移民パートは、日本からブラジルへ渡った人達のお話として面白かった。猪木の傍にいたレスラー達(ていうか藤原と藤波)が語る逸話も面白かった。今の新日本プロレスを背負う人達の距離から見た話も面白かった。当時の写真や映像は、特に熱狂的なファンではない私でも知ってるようなもので、目新しさはないけどまとめて見るとまあ、面白かった。

ドラマパート超いらねえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
!!!!!!!!!!!!

小学生編の時点で既に邪魔くせえなあ、と思ったので、高校生? 編のタイトル出た時は仰け反ったし、社会人編に至っては白目むいて己の手元に早送りボタン探したわ。映画館なのに。マジで要らん。自分の人生のかたわらに猪木がいてくれたなあ……! という人たちが相当数いるっていうのは全然想像つくから、誰かの物語として固定した「ドラマ」を挟むのは無粋だと思うんだわ。それぞれの人生にそれぞれの猪木が居たんでしょ? そのそれぞれの話を蒐集して繋ぐ方が、あの歪だけどおそらくとんでもなく魅力的で、危なっかしいけど興味深い、アントニオ猪木という人の輪郭を浮かび上がらせるには良かったんじゃねえの、という気がしますよ。袂を分かった人も、心酔した人も、振り回された人も、憎んだ人もさ。

昨年亡くなって今公開というのが早すぎたんじゃないのかな。数年かけてたっぷりまとめれば良かったのに。急がんでも、死後数年経ったとて、心に猪木がいる人たちの中で簡単に薄れるような存在じゃないでしょうに。テレビのユルい2時間追悼特番! て感じで、映画館でわざわざ観なくても……って思ってしまった。
オトメチカ

オトメチカ