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ナポレオンのkaeruのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.8
小学生の頃からベルバラ愛読してたからここへ至るまでのフランス革命の流れはバッチリ。でもナポレオンに関しては皇帝になって追放されてまた三日天下があって結局島に流されたという流れと、世の辞書に不可能の文字は無いって言ったらしいというざっくりしたイメージしか無いまま鑑賞。

冒頭の広場のシーンの音楽が「ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ヤァ」って聞こえて一瞬吹替だったっけ?と思ってしまった。後から他の劇場で観た娘に言ってみたけどそんな風には聴こえなかったって。私だけか。

リドリー・スコット監督だなぁという感じのすごいスケールの戦闘シーン。氷の上のシーンとかCGは極力使わずに撮影したというからこその迫力か。反して伝記映画だからか思ったより物語は淡々としてる。ジョゼフィーヌは奔放な悪女というより時代に翻弄されながらも強く生きた感じのする魅力的な女性だった。印象的な顔立ちの女優さんですごく知ってる気がしたけど全然思い出せなくてあとで調べたらこの前観たミッション: インポッシブルのホワイトウィドウだった。さすが。
英雄と呼ばれていても一人の弱い人間だったように見えるナポレオンがジョゼフィーヌへの依存的な愛を抱えていたというのもわかる気がする。ダリにはガラがナポレオンにはジョゼフィーヌが、偉大な何かをやり遂げる男を支えるのはやはり非凡な才覚のある女性なんだろうな。本当にナポレオンは幸運の女神を手放した途端に運に見放されたとしか思えなかった。

途中ちょっと長いなって思っちゃけど歴史と人の人生の重みの長さか。戴冠式のシーンはルーブル美術館で観たあれそのまま。『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠』の絵。ナポレオンが自分で自分の頭に王冠を乗せた話は、私の中では織田信長が父親の葬式で焼香を投げたって話と同じような盛ってる感あったけど本当なのか。
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