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ナポレオンのScriabinのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
5.0
史実を無視してまでも画作りにこだわる監督がなぜ人間ドラマに興味を持つのか分からないなと思いながら見ていた。グラディエーターよりも説明臭さがないのは良かった。

・バリーリンドンへのオマージュということだけど、音楽で真似してみせなくても… Make the rain stop は笑った。
・第一統領になるまでが一番好きかも。フランスの監督以外がフランス革命撮るとこうなるのね、という。すごいF. C. Cowperの “An Aristocrat Answering the Summons to Execution”(1901) 思い出してしまった。そしてナポレオンの仕事部屋の強迫的な白さ!
・歴史物は映画技術の精華。行軍シーンはグァッツォーニの La Gerusalemme liberata(1918) と重なった。
・でも正直ガンスへのオマージュだと思って見てた。地上戦のはずが溺れ死んでいくアウステルリッツも良かったけど、ガンスのトリプルエクランに対応するのはワーテルローかなと思った。あの何もない場所をちょっと上から映すところはだいぶパノラマ的で興奮した。ちょっと Peterloo(2018) を思い出しつつも違う話だと思い直し、ガタガタと揺れながらズームアップするカメラを見てルコント?いやいやリドスコと思い直したりした。
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