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博徒対テキ屋のodyssのレビュー・感想・評価

博徒対テキ屋(1964年製作の映画)
3.5
【テキ屋入門】

テキ屋という商売のことが分かる映画です。

浅草を仕切っているテキ屋(片岡千恵蔵)の長男・竜太郎(鶴田浩二)は、自分が母の不義でできた子であることを知り、家を出て放蕩三昧。年の離れた次男(松方弘樹)はまだ家を継ぐには若い。そこに杉屋デパート(松屋を暗示してそうです)の進出というニュースが入り、浅草の商人たちが大騒ぎ。おまけに、別の町から進出してきた悪質な博徒も絡んでくる・・・・。

老いた知恵蔵の貫禄、油ののりきった鶴田のニヒリズム、いかにも若い松方の血気。三者三様の魅力が楽しめます。

女優陣も、島倉千代子と藤純子が出ていてなかなかです。島倉は歌手として有名ですが、ここでは鶴田を慕う女のしっとりとした雰囲気をうまく出しています。劇中にも彼女の歌が流れますが、直接歌うシーンはありません。藤純子はデビューの翌年でこのとき17歳。みずみずしい魅力が光っています。
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