ここ数年、ハマっているのが’70年代の映画たち。
アメリカの暗部をえぐったニューシネマ諸作の反骨心。
『燃えよドラゴン』、『ダーティハリー』、『フレンチ・コネクション』といったアクション良作による血のたぎり。
『ジョーズ』、『ポセイドン・アドベンチャー』、『タワーリング・インフェルノ』といったパニック大作の興奮。
そして何より、『ゴッドファーザー』、『ロッキー』、『スター・ウォーズ』という今でも絶大な人気を誇るシリーズがスタートしたのもこの年代。
予算規模もジャンルも多種多彩。芸術性と商業性のバランスも丁度いい。
さて(前置きが長くなりましたが)、本作もそんな”なんでもあり”の’70年代らしい作品。
なんてったって、主人公の職業が現場監督ですよ。エンタメ作としてはかなり異色。
亡き親友の会社が乗っとられるのを防ぐため、完成途中の高層ビルに3週間以内に9フロア積み増しする…という無茶なミッションに挑みます。
難題突破のため、各地から、爆破、クレーン、鳶…といった各分野のエキスパートを、まるでガンマンを集めるみたいにリクルートしていく序盤から興味津々。
ライバル会社の妨害とか、自然災害とか、不慮の事故、主人公のまさかのトラウマ(高所恐怖症!)を克服して、徐々に夢を積み上げていく男たち。
ひと仕事終えた後のビールの美味しそうなこと…それを爽快に描けているだけでも、採点を甘くしたくなっちゃいます。
’70年代に興味のある映画ファンにはたまらない、”登りがいのある”作品だと思います。