MasaichiYaguchi

夢みる校長先生 子どもファーストな公立学校の作り方のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

4.0
オオタヴィン監督が「教育」をテーマに制作した映画「夢みる小学校」のスピンオフ作品で、“子どもファースト”な学校改革を行った6つの公立学校の校長先生にスポットをあてたドキュメンタリーを観ていると、「目から鱗が落ちる」取り組みばかりで、自分が如何に既成概念に囚われていたことに愕然とします。
本作では、60年前から通知表や時間割のない「総合学習」を続けてきた長野県伊那市立伊那小学校、2020年度の通知表を廃止した神奈川県茅ヶ崎市立香川小学校、校則をゼロにした東京都世田谷区立桜丘中学校、宿題を廃止した東京都武蔵野市立境南小学校などを取り上げるほか、元文部科学省事務次官の前川喜平さん、教育評論家の尾木直樹さんらの教育専門家にも話を聞いていく。
これら登場する学校は「教育特区校」や「教育実験校」ではなく「普通の公立学校」で、その取り組みを「MORE FREEDOM もっと、学校に自由を!」「MORE DIVERSITY もっと、公教育に多様性を!」「MORE HAPPINESS もっと、子どもたちを幸福に!」という3章で紹介していく。
そして世の中が段々とキナ臭くなっていく現状を、終盤の方で紐解いてみせて、如何に民主主義が大事なのかを我々に提示する。