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エクソシスト 信じる者の一人旅のレビュー・感想・評価

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
4.0
デヴィッド・ゴードン・グリーン監督作。

巨匠ウィリアム・フリードキンが生んだ憑依ホラーの金字塔「エクソシスト」シリーズの第6弾で、今作はフリードキンによる1973年の第1作の直接の続編となっています。監督はホラー街道まっしぐらのデヴィッド・ゴードン・グリーンで、製作にはジェイソン・ブラム率いるブラムハウス・プロダクションズが名を連ねます。

13年前にハイチ地震で身重の妻を亡くしたヴィクターは一人娘のアンジェラと二人で暮らしているが、ある日アンジェラが友人のキャサリンと森に出掛けたまま行方不明となる事件が発生、懸命の捜索も虚しく3日が経過した時、納屋で一緒にいる二人が無事発見されるが、二人の様子は以前のものとは全くの別物となっていた…という展開で、森の中で悪魔に憑依された二人の少女と彼女たちを救い出すべく死力を尽くす人々の闘いを描いたシリーズ最新作となっています。

第1作でリンダ・ブレア扮する少女リーガンの母親クリス・マクニールを演じたエレン・バースティンが50年ぶりに同役を再演した正統な続編で、ヴィクターが娘を救う手掛かりを得るためクリスの自宅を訪問することで出番がやってきます。とはいえ、メインの悪魔祓いにクリスが参加することはなく、あくまで脇役という扱いに留めています(ご高齢ですから…)。

プロの神父が悪魔祓いに挑んだ第1作とは違って、本作では悪魔祓い素人のご近所さん同士が力を合わせて少女二人同時の悪魔祓いに挑むという素人感全開の総力戦が見所となっています。悪魔慣れした有識者がいない中での悪魔との対決がいい意味で観客の不安を煽ってきますし、一人の少女ではなく二人同時相手という高難度のシチュエーションも油断できない作劇となっています。流石に偉大な第1作の出来には遠く及びませんが、シリーズの肝である悪魔祓いクライマックスでは壮絶な映像で一挙に畳み掛けていますし、お馴染みのオリジナルテーマ曲のアレンジバージョンも聴き所となっていて、「エクソシスト」のポイントをきちんと押さえた続編となっています。
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