義民伝兵衛と蝉時雨

悪は存在しないの義民伝兵衛と蝉時雨のネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

抗えない人間世界の痛ましい有り様を浮き彫りにしたようなラストには、やはり、鋳型にいれたような悪人などそこにも存在せず、寧ろ最善と最善を尽くし合った結果のように思えた
殺人、紛争、戦争といった、人類の痛ましい争事も、やはり当人同士の最善と最善の衝突なのだろうか

宇宙
地球
自然
根源
調和
バランス

資本主義社会に蔓延する経済至上主義によって、自然を搾取し蹂躙する人間の愚鈍さ、
あるがままに踊る自然には映像越しにも涙腺が緩む
自然との不調和は現実世界でも必ず破滅へと繋がっている
やはり物質よりも、自然との調和を目指し、必要最低を享受することの出来るような、高尚な精神力が、この先の時代にも一層輝きを増していくのだろう

カメラワークの素晴らしさ
そしてロケーションの素晴らしさ、富士見パノラマなど子供の頃からよく行った富士見市、そして甲府南付近での高速シーンの撮影、スクリーン越しに見る自分の大好きな町の光景にも釘付けになった
映像と音楽の調和も素晴らしく、心が潤った