呆気にとられてしまうラストを体験し、徐々に感想が滲み出てくるような映画。冒頭舞台の自然とその生活を静かにゆっくりと描く。舞台説明でサクッと終わらせるようなところをじっくり描くことで後の説明会のシーン以降に観客の居る立場が明確になったと思う。
説明会のシーンはあまり作品に乗れていない人さえも惹きつけてしまうような強力なシーン。その後も決してテンポ感が格段に良くなるわけではないが、ラストが不意に終わってしまうところも含めあっという間に感じるほどに集中させる。
現実的なテーマであるからか、フィクションのようではないドキュメンタリー感がある。特徴的なカメラワークもカメラがあることを忘れさせないような画作りであった。
見る人に考えさせるようなラストも、現実での開発問題と今作のタイトルを思い起こさせ、自分の答えを問いかけるよう。
単に分からないと切ってしまうのでなく、自分の答えを考え出すことで評価が生まれてくる映画だと思う。
