ひとつの国の成立ちを見ているかのよう。アパート内で起こることはかなり分かりやすく近代史のあれこれをなぞっていた。素直に最善を取ろうとすると国粋主義や排他主義になっていく。
災害からある程度日数が経ったところから話を始めることで最初のパニック描写を省略し、普通外部へ助けを求めるはずのところをオミットしたのもギリ成立したのかな。
イ・ビョンホンの役は実は大災害の前から人生が壊れていた…というのが地味にくる。家父長制の悪役である父にとっても家は地獄の重圧というのは国際市場で逢いましょうを思い出した。
ゾンビものや漂流教室も連想するし、実はそこまでアクの強いことをやってるわけでもないし、新しさという点では弱いのかもしれないけど、今の映画になってるし、まとめ方が優れていた。