れお

16ブロックのれおのネタバレレビュー・内容・結末

16ブロック(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

アルコール中毒でやる気のない刑事、ジャックモーズリーはある仕事を頼まれる。
それは囚人エディバンカーを、16ブロック先にある裁判所まで護送すること。
ただ送り届けるだけで簡単に思われた任務だった。しかし…。

面白かった。

キャラを立てるのが上手に思えた。
ジャックもエディも、出てきたから一分も立たぬうちに、ああ、こういうキャラクターかと瞬時に理解出来た。
しかもそのキャラクターをしっかり守ったまま進行していく。上手。

最初の車の中で襲われるシーンの演出はとてもよかった。
窓ガラスで銃を撃たれたことが伺われ、エディが打たれたかと思ったら実は違ったという、派手でテンポもめちゃくちゃよく、視聴者を驚かせられるいい演出。

ジャックがフランクを裏切るシーン。
正直、やる気のない刑事が正義感を出すというキャラからすれば違和感の出そうなシーンなのだが、葛藤の間をかなり長く取ることによって、ジャックの中に重大で明確な理由があることが伺える。
それによって観ている側に違和感が出づらくなっている。
そしてフランクの説得も、あとから見返すと意味が少し違って見えるのも高評価。
俺達の中にジャックも入っているとは最初は分からなかった。

地下の料理場のようなところに逃げ込んだときはワクワクしたが、ただ素通りするだけでその場を活かした撃退方法がなかったのは残念。
エディがそのへんの食材や器具を投げたりして敵の足止めをしてほしかった。たとえば豚の頭をなげて敵が驚いたり、せいろを投げつけて敵が銃で撃ったら中の小籠包とかの肉汁がかかって熱がったりとか…
コメディチックで緊張感が無くなるかな?

前半のテンポがかなり良かっただけに後半は少しだれた印象。
バスジャックをしてしまい、袋小路になるところまではよかったが、解決までに長く、この手があったか!という解決方法では無かったので、いまいちスッキリしない。

前半がめちゃくちゃ良かっただけに、後半も悪くはないのだが、いま一つな印象を受けた。
前半がテンポがよく、後半が少し悪いせいで時間も長く感じた。遺書を録音しているのを中断させられたときにはまだあるの?と思ってしまった。
後半がもっと良くなっていれば、完璧な作品になっていたかと思う。
れお

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