ラストシーンの音羽の凛々しい目力よ!
この彼女の意思の強さが全編を貫いていて心地よい。
"義足は障がいの象徴ではなく「個性」"
お涙頂戴の障がい者ポルノでも感動ポルノでもない。
意外なほどサバサバした成長物語なのだ。
「どうして自分がこんな目にあうのか」
当然思い惑い、自分の弱さにへたり込むこともあったろう。
自分の人生を呪い、落ち込むこともあったろう。
(そして、そこがあんまり描かれないのがいい)
しかし、彼女は言い訳せずに立ち上がる。
義足を付けて歩き出す。
ランウェイを颯爽と歩くのだ。
義足であることを自らの個性と受け入れ、自分の意思で自分の人生を選択する。
そのポジティブな強さに心を奪われる。
自分の人生を悲観せず楽観的にとらえ、前に進んでいく姿に勇気をもらった。
主演の音羽を演じた伊礼姫奈がハマっている。
監督も2000人以上のオーディションの中から一目で決めたという。
これからの彼女の活躍に期待したい。
余談
上映時間61分!
この短さは異例だがサクッと観れて嬉しい!
反面、もっと観せてよーー!って気持ちにもなる。
暗転が多く、映画的技法が随所にみられた。
お母さん役とマネージャー役もよかったな。
筒井真理子はもっとみたかったなあ。