峰不純子

異人たちの峰不純子のレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.0
山田太一原作、大林宣彦監督の「異人たちとの夏」のリメイク。

舞台をロンドンに移し、主人公はゲイという監督のパーソナルにより近づいた話に改編。

タワマンに二人しかいないとか、荒廃した未来?という気がしたw
あまりに孤独で未来に何も期待していないように人を避けて生きてる主人公。

現実と地続きで再会する、子供の頃事故で亡くなった両親との時間。
子供の頃期待通りの子供でなかったことを、大人になって自分よりも年下の両親との交流を経て、心に巣食っていたものが解されていく…。
この一連の失われたはずの両親とのシーンが、時に痛くも限りある時間でしかない事が胸に迫って涙。

両親との時間を得て自分自身を解放していく一方で、(名取祐子枠の)年下の青年との出会いと恋もまた、これまで諦めていたモノを取り返すように見えた。
けれどこの青年とのラストの解釈は今ひとつムムム?という感じ…。

幻想的なストーリーだがキャストが誰もが抜群にハマっていて説得力があった。

見終えると、まだ生きている親と会って話したくなったり、優しくしたくなる思いになった。

PSBの歌が映画の内容にぴったり♪
峰不純子

峰不純子