みむさん

Finestkind(原題)のみむさんのレビュー・感想・評価

Finestkind(原題)(2023年製作の映画)
3.5
トロント国際映画祭にて。

Finestkindは漁船の名前。金に困った漁師兄弟が犯罪に手を染めるクライムドラマっぽかったが、父息子の物語なのかも。

ブライアン・ヘルゲランド監督、ベン・フォスターとトビー・ウォレスが異父兄弟役、トミー・リー・ジョーンズが片方の父親役。

当初ヒース・レジャーが兄役をやりたがっていたが、その役には若すぎたので適齢まで待っていたとのことだった(その間に亡くなってしまった😢)。

トビー・ウォレスが演じる弟チャーリーは大学に行くことを望まず、ベン・フォスターが演じる兄トムの漁師の仕事をしたがっている。
二人の初めての船出で船が破損、仕事道具を失った二人は違法行為に手を染めるんだけど、思いの外このあたりはさほど引き込まれず、二人の父親との関係のほうをもっと描いてもよかったのかも?と素人なりに感じた。

特にトムとレイ(トミー・リー・ジョーンズ)の関係がベタだが良い。頑固親父と無鉄砲な息子。だけど父は本当は息子に全うな道を歩んでほしいと願う。にもかかわらずトラブルに足を突っ込んでしまった時、父はどうするか。

終盤のシーンは拍手出てた。まさかそんな行為に出るとは。何やるだろうとは思ったが、それまでの描写から想像しなかった。 
最悪の選択ばかりしてトラブルに自ら向かっていくような無謀な息子、この息子の父だなと思えるラスト。
爽やかに終わっているがあのあとのお父さんのことを考えてしまうね。やりきったからいいのかもしれないけど。

ベン・フォスターもトビー・ウォレスも良かったのに完全にトミー・リー・ジョーンズが終盤に持っていったのが意外。