烏丸メヰ

イン・マイ・マザーズ・スキンの烏丸メヰのネタバレレビュー・内容・結末

2.2

このレビューはネタバレを含みます

大戦末期、日本の占領下で辛い暮らしをする少女。
病で弱る母を助けようと、森で出会った謎の女性(紅白のラスボス/イメージヴィジュアルのやつ)から渡された“生きたセミ”を……

根本部分は難解でありつつ、ホラーシーンにはかなり力がある。
暑く薄暗く虫や鳥が騒ぐフィリピンの森の、画面から湿度まで漂って来そうな雰囲気や、幻想的描写と残酷描写の同居など独特な個性がある。
(東南アジアは伝わっているオバケの性質や外見の傾向からか、ファンタジーとグロが合わさったホラー映画が多い気がする)
かなり丁寧に物事を描き、間の取り方がかなりしっかりしているので、物語としてはややスローテンポ。

はっきりとは明言されていなので定かではないが、本作もフィリピンの伝承にある複数種の魔物(虫を呪いに使う魔女マンババラン、長い舌を持つ各種吸血鬼等)のイメージから作られたのかな。
それにしても、
ラスボス的な魔女がセミで人を食人鬼化→その食人鬼が吐き出す黒い鳥を食べるため?
みたいな、説明のなされない・のに明らかに繋がっているこの辺りの描写が入り組んでるので、何か元となる固有の魔物がいるのかも。

主人公を演じた女の子の表情豊かな演技力は凄かった。

「1億倍グロく汚く良い事の起きないパンズラビリンス」みたいな作品(個性としてほめてる)。
セミが怖いと思ったのは『セミマゲドン』以来かも知れない……
烏丸メヰ

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