エイプリル

オールタイム・ハイのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

オールタイム・ハイ(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

終始とにかくめちゃくちゃというかはちゃめちゃで、主人公はまあクズなんですがそれでも目を離せない映画でした。
女性を騙したり転売したり、特に序盤の主人公は擁護できないレベルの小悪党なんですが、それでもあんまり彼のことは憎めませんでした。確かにやってることは悪いことなんですが、やることなすこと全部うまくいっていないし、しょうもないマネーゲームもどきが全部裏目に出てしまってるの、なんか見てて気持ちよかったです。

この映画の魅力、コメディ部分はそれなりなんですが、アクションはかなり良いです。行く先々でとにかくすぐに喧嘩が起きます。喧嘩しなくてもいいだろ!みたいな場面でも喧嘩です。龍が如くやってるみたいでした。
主人公の身のこなしがかっこいいし、それぞれの場所に置いてる道具を拾ってのバトル描写はかなり凝ってました。
主人公カップルの機転が効いて強すぎるので、なんか最後の方は悪役がちょっと可哀想だな…と思いながら見てました。悪役もちょっとかわいげあって好きになりかけてたし…。

「嘘を越えた先の愛を手に入れる」というのが本作のテーマだと思いますし、最後に互いの汚いところも含めて愛し合っていたので気分よく映画を見終わることもできました。
ただ、「嘘を開示しても相手のことを好きになれる」という展開がされる中で、ステファニーもヨセフもそこまで良い人物とは思えず、どうしてもダメ人間同士がくっついた、みたいな風にしか見えなかったのも事実でした。
ステファニーはクリプトを人を繋ぎ止めるための道具にしか使ってなかったりで、正直ヨセフはその被害者なんですが、それでもヨセフがステファニーのために奮戦したのは、ステファニーが嘘をつきつつも良い人間だからというよりも、単にヨセフがお人好しだったから、みたいにも思えてしまって、この辺りのテーマがちょっとボケてるな…みたいにも思ってしまいました。

存外アクションが良かったのとセリフのやり取りが小気味よくて集中して見てしまいましたが、コメディというよりもバトルものを見たい、という人におすすめしたい作品でした。
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