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コメディだ。
最近観た「刑事ジョン・ブック」のコメディ版といった風情である。
ポールとメリルのモーガン夫婦の物語だ。
あの噂のモーガン夫妻だ。
(どの?)
お互いニューヨークでバリバリ働いているのだが、ポールの浮気が原因で別居中である。
ポールはよりを戻したい。
メリルは彼を信じておらず冷淡な態度をとってしまう。
そんな関係だ。
ある日、二人は殺人現場の目撃者となってしまう。
犯人の顔をしっかり見てしまうし、己の顔もしっかり見られてしまうのだ。
どうやら奴はプロの殺し屋らしい。
モーガン夫妻は命を狙われるはめに。
そこで二人は”レイ“という小さな田舎町に身を隠す事になるのだ。
警察による証人保護である。
だが、本人たちは嫌々だ。
なんせニューヨーカーなのだ。
都会暮らしが身に染み付いている。
このレイという町での様々な出来事がこの物語のメインメニューだ。
ニューヨーカーである彼らがこの田舎町でどう変わっていくのか。
ここが一つの見どころだろう。
日本に当てはめれば、東京から滋賀の信楽あたりに来たと言えようか。
信楽は風光明媚な素晴らしい町だ。
しかし、なんか腹が立つ。
勝手に例えておいて申し訳ないが、腹が立ってきた。
私は常々、東京基準の風潮にご立腹なのだ。
テレビの天気予報など東京の予報を長々と放送しているが、全く興味がないのである、こちとら。
東京の人が言う“地方”という言い方も嫌いだし、東京の美味しいお店などにも全然興味がないのである。
広大な土地を表現するのに、東京ドーム何個分とか言われても、読売ファンでない私には全くピンとこないのだ。
言いたい事は他にも山ほどあるが、今日はこのへんにしておこう。
誤解なきよう申し添えておくが、私は東京や東京都民の方々が嫌いな訳ではない。
仕事の関係で東京に住んでいた事もあるのだ。
ただ、すべからく東京中心に考える風潮が腹立たしいのである。
滋賀県民から見たら東京も一地方なのである。
滋賀県民の皆さん。
どうですか。
言ってやりましたぜ。
ちなみに私は兵庫県民ですけどね。
(余計なお世話感が今世紀最大やね)
という訳でこの作品だ。
滋賀での生活にしだいに馴染んでいくモーガン夫妻とそれを受け入れていく滋賀県民との交流が実にいい。
最初はあれほど嫌がっていたのに。
最後は殺し屋の襲撃に合うも滋賀県民の協力により、これを撃退するのであった。
めでたし、めでたし、なのだ。
ポール役はヒュー・グラントだ。
いつものヒュー・グラントだ。
つまり、お気楽に楽しめるロマンチックコメディという事だ。
殺し屋との戦いはあるが、全然安心できる物語である。
大いに笑っていただきたい。
メリル役はサラ・ジェシカ・パーカーだ。
今まであまり魅力を感じた事がない女優さんだったのだが、この作品ではとても可愛らしく感じた。
私も彼女の良さが分かるお年頃になったのだろう。
私の成長に拍手だ。
滋賀県民とともに。