ピュアなお話だった。18歳で出会い、再会の約束を果たすまでに18年。こんなに思い続ける人は、現実にはあまりいそうにない。しかし、誰だって初恋は覚えているから、不思議ではないのかもしれない。とにかく、題名の意味は何となく分かった。
雪国、バイクの2人乗り、ランタン…どのシーンも美しく、2時間どっぷりと浸ることができた。
ただ、あまりにも思った通りの展開だったのにはビックリ。『ラブレター』や『ラストレター』には、「なあるほどお」という仕掛けがあったので、この作品もと思ったが、そこは期待外れに終わった。会えないと分かっているのに、終らせるために、遠回りしながら君へと続く道を走っていたのだと分かるのが、その仕掛けなのだろうが、ちと弱い。でも、その切なさは伝わってくるので、これはこれでいいのだろう。
思い出の場面が輝いているのに対して、現実の場面は主人公の鬱屈を表すかのように暗め。しかし、最後のマンションを決める場面は通常の色調。言わずもがなであるが、やっと新たな道に舵をきることができたということなのだろう。
気分よく見られた映画だった。