みゆ

無名のみゆのレビュー・感想・評価

無名(2023年製作の映画)
5.0
王一博が鏡の前で身だしなみを整えるシーンが何度もある。ダークスーツに身を固めて、ネクタイを結ぶ。喜怒哀楽を押し殺した、あるいは喜怒哀楽を失ったような醒めた表情が美しい。男は建前を語り、女は嘘をつく、誰も誰にも本心を見せないスパイの漆黒だった1940年代の上海で、暗色のスーツに疲れた色気をまとった保衛部の男とその部下たちが、中国国民党・中国共産党・日本軍の思惑が入り乱れる世界に身を投じていくという映画。黒基調のリッチな映像、事の因果を際立たせるタイムラインの往復具合、抑制とケレン味のバランスも癖になる。ノースタントのアクションはもちろん見せ場だけど、むしろ銃と拳が「あり得る」情勢下において、そのやむを得ずの切り札をいかに切らずに状況を操り、成すべきことを成し、生き延びるかが本領の2大スター共演のフィルムノワール 。W主演というか王一博が主演よなぁと思ってたところで、エンドロールに贾樟柯のお名前が!わー!英題タイトル付けてくれたのー?すごーい!で、王一博めっちゃ好き、めちゃめちゃ好き。素敵!かっこいい!大好き!!!
2024/6/12おかわり鑑賞。胸鎖乳突筋凄い綺麗!今日もかっこいい!
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