はぐれけんきゅういん

風よ あらしよ 劇場版のはぐれけんきゅういんのレビュー・感想・評価

風よ あらしよ 劇場版(2023年製作の映画)
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題材はすごく良くて、でも映画としてはいろいろ物足りないかな…
古い建築がお好きな方にはおすすめ。いま文化財に宿泊するのとか流行ってますもんね。そういうとこたくさん使ってそうでした。ロケ地知りたい建物でいっぱい。

で、肝心の映画なんですがあまりに何もかもコテコテすぎる、劇伴盛り盛りすぎ、古い日本映画そのまま踏襲しててませんかこれは。特に劇伴が合ってなかったと思うんですよ…梶浦氏のサントラをアニメで聴いて育ったヲタクなんですけどね…
皮肉すぎるんですが音楽なしで繰り広げられる終盤は惹きつけられました。人間は自分で考えないと、善意を失ってしまうと、これだけ最悪なことをできてしまうのですよという警告。異邦人と疑うなり撲殺する自警団も、憲兵隊も、ひとりひとりに家族や仲間がいたはずなのに。

早く生まれすぎたフェミニストが理想とした世の中に、少しは近づいたでしょうか。女が選挙権を得て、職業選択の幅が広がり、それでも堕胎には男のサインを求められるし、公には禁止されているけど多くの抜け道によって売買春(買う側こそ全員ブタ箱に入りやがれクソ)がなくなっていない、それが100年後のこの国です。