クリスマスの朝、メッセージと自作の小説とミックステープを残して彼氏が自殺したところから始まる。
悲しみから自分を解放できなかったモーヴァンが、新たな一歩を踏み出す過程が描かれる。
彼の小説を自分の作品として出版社に送ったり、彼のお金でスペイン旅行に行ったり。繊細な感性だからこそ、若さは残酷で危うくて大胆だ。
モーヴァンという女性にひたすらフォーカスされる。そこには、彼女の生きてきた背景もない。モーヴァンという女性がいるだけ。
ただのクスリをやるだけの若者とは違う。彼女のように大胆で自由に、でも決して墜ちない。そんな飄々として生きる強さに魅力を感じます。
「私は今で満足よ。夢見るのはやめて」そんな親友ラナの言葉を振りほどいて、モーヴァンは前へ踏み出す。
旅先でのスペインぽくない色味が印象的。
音楽も全部ハマってた。ラストにクラブでママス&パパスがかかる。モーヴァンの気持ちとマッチして最高にエモくて好きなシーンだった。
モーヴァン役のサマンサ・モートンがなりきってる。最初はただの若者って感じだったのに最後は大人の顔になってたなぁ。カッコいいな。
ストーリー性やドラマ性、道徳観念を度外視して、感性で受け取る作品かと思います。フィルマでは低評価だけど個人的にはかなり好きな映像の連続だった。