Nyayoi

マリア 怒りの娘のNyayoiのレビュー・感想・評価

マリア 怒りの娘(2022年製作の映画)
3.9
中米ニカラグア出身のローラ・バウマイスター監督の初の長編映画、と聞いて思わず鑑賞したくなった。

最初の巨大なゴミ集積場に圧倒される。使えるものを探す多くの子どもたち。11歳の少女マリアは、美しい湖の畔にあるゴミ集積場の近くで、母と一緒にギリギリの暮らしている。
母はトラブルを解決する為にマリアをリサイクル施設に預けて街へと向かったものの、何日経っても戻ってこない。マリアは、母に会いたい一心で施設を抜け出してしまう。

預けられた施設も多くの孤児を抱え経営も厳しく、結局は経営者が警察に捕まってしまう。貧しい国、内戦が頻繁な政情不安な国に暮らす人々。

ニカラグアは独裁政権や内戦が続き映画どころではなかった。久々につくられたこの長編映画は世界各地の映画祭で高く評価されていることが喜ばしい。

時々差し込まれる、夢か妄想か、マリアの内面を映し出す幻想的な映像が美しい。マリアの演技に思わず引き込まれる。
最後のマリアの表情、どんな状況でも負けず、少女が前向きに進んでくれるであろう希望を感じた。
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