CmyK

かづゑ的のCmyKのネタバレレビュー・内容・結末

かづゑ的(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

物凄い作品
人間と言うものを凄い距離で撮った作品だと言える
一言一言が魂の質量を持った、肉々しい重さの連続でとてつもない密度だった

劇中のふるさとの歌の件でもあった通り、人には触れさせたくない、脆い針金の部分があって、そこから響くものがこの映画には始終鳴っていた。

いじめを苦にして8月の海を見る、死への憧れと瀬戸内海の情景、相反する心象風景に、9月に会える母親を心の支えにする。僅か10歳で生家を出て施設に移る決意をした強さとハンセン病(本人はらい病と呼んでいたが自分はこの名で呼ばせて頂く)を幼くして背負った辛さの、ありふれた少女が抱えるには強過ぎ、反するものが彼女を彼女たらしめ、この作品が出来たのだろうと考えさせられた。
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