このレビューはネタバレを含みます
面白い!!
東ちゃんの狂気的なまでの執着、アイドルになるためなら周囲を顧みないあり方がグループの絆にヒビを入れていく様は、見ていて胸が痛くなった。何を犠牲にしてでも夢に向かって突き進む、という姿勢はときに美談として語られるが、その負の側面を描いた面白い作品だった。予告から想像されるキラキラ感とは趣が違いすぎるが、これはこれですごい作品だった。見せ場の一つであろうダンスシーンを(この子たちいつ瓦解しちゃうんだろう)という一抹の不安とともに見ることになるとは思わなかった。
それでいて最後は「だけど、歩んできた道は嘘じゃないし消えたりしない」という結論に至り、グループの仲直りで締めくくられるので後味はとても爽やかだった。結果だけを追い求めて手に入れた一時の栄光と、過程をたどり直して気づけた友情それぞれをふたつの歌唱シーンが象徴していて、鮮やかな対比だった。
ダンスシーンがカット割りすぎで見づらいのと、モデルの許可なしに写真展に出してたっぽかったラストだけ引っかかったが、そんなのは些事というくらい刺さってしまった。