2022年2月。
松居大悟監督の「ちょっと思い出しただけ」をレイトショーで観たら、
思いの外、その時の気分にしっくりとハマって、観終えた後の余韻に浸っていた。
前の方の席に座っていたOL風の女性2人組が、
「これ、今年の年ベス、決まったわぁー」って話していて、
「え?まだ、2月なのに・・・」って思っていたら、
なんだかんだで、その後自分ももジワジワ好きな映画になって、
結局、その年のベスト映画になった。
そんな、松居大悟監督の新作を、2年振りに映画館で観る。
で、もうのっけから、凄いテンションで、
「あれ?ちょ、ちょっ・・・」って思っていたら、
そのまま、押し切られるかのように、そのビックリな展開に戸惑いつつ、
後半、少し物語の本質が整理出来てきたかなぁと思っていたら、
その勢いのままに、終わってしまったなぁって感じでした。
どっちかっていうと、リアルな会話劇だった「ちょい思」に比べると、
随分と毛並みが違う作品だなぁとは思ったけど、
節々には、松居監督の独特のスカッと抜けるようなタッチも感じる、
スピード感に溢れたいい作品だったなぁと思いました。
その勢いの、ほぼ全てを体現していたと言っても過言ではない、
見上愛さんの疾走感のある演技が見事でしたね。
そして、それ陰から支える、田中くんを演じた、青木柚くん。
この存在が、凄くストーリーの中で効いていたなぁと思いました。
主人公・長谷部りのの恋愛エピソードが、ひとつぶっ飛んだ所で、
その節々をニュートラルに戻して、次に進ませて行く、
そんな、観るものをリードして行く役まわりに、
とても存在感があって良かったです。
正直、凄い期待していただけに、そこまで大きなものは無かったけれど、
松居監督の「今」のモードを全開で体感出来る、
そんな爆発力のある作品だったので、最後まで見応えがありましたね。