「映画」というフィールドでこの作品を残すことはとても意義がある事だろうと思った。『見えないけれど存在する世界』を逆に描くことで伝わるものがたくさんあるんだと感じた。
見えるものばかりの世界が嫌になった私もこの映画をみれば「ああ、みえる世界もけっこういいな」なんて思った。
「記者」と「作家」で外側と内側を表現していること、「学生運動」と「ヤクザ」、「ママ」と「娘」 なんだか対比として置かれているような気がしてけれど、コントラストが曖昧になっていく事も感じた。
長澤まさみ演じる美奈子が「時間」に対して焦りをみせることで、生死の境目が時間という概念である事も伝わったように思う。(そこまで意図してるかはわからないけれど)
とにかく心が暖かくなる素敵な映画だった。人は分割された魂で感情をつくることがありありと理解できた。
自己受容するための「映画」として、とても映画らしい映画だなと思った。