死後の世界を描いた作品。
こういう作品を観ると、どうしても昨年急病でこの世を去った母のことを考えてしまう。あの日からしばしば死後の世界について思いを馳せる。
勿論、そんなものは無い-無に帰るだけというのは頭では理解しているのだけど、なんだか母の生きた65年と、自分が生まれてから母と暮らした三十余年が全て無かったことになるような気がして、(心のどかで認めたくなくて)死後の世界にいるであろう母に時折心の中で話しかけてしまう。
もし本当にそんな世界があるならば、苦しんだり悩んだりすることなく、穏やかに暮らしていてほしいと切に願う。
あと、この作品では死後の世界でも「別れ」があるように描いていたけど、死後の世界ではもう別れなんて必要ないと思う。
母が死んでから今日まで一度も母のことを思い出さなかった日がない。
生前は別々に暮らしていたので、2.3か月連絡を取らないこともザラにあったし、日常生活していても母を思うことなんてあまり無かった気がする。
でも、いざ居なくなってしまうと毎日思い出してしまうから本当に不思議だ。
きっと亡くなったあの瞬間に感じた永遠の別れがやっぱり強烈で、まだ受け入れることができていないんだと思う。
別れというものは本当に辛い。想像しているより遥かに辛い。
だから、せめて死後の世界くらいはさよならの無い世界にしてほしいと願ってしまう。