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π〈パイ〉 デジタルリマスターのtorumanのレビュー・感想・評価

3.9
ダーレン・ アロノフスキー 監督のデビュー作をA24が音と映像を4Kレストアでブラッシュアップした刺激作。

天才数学者マックスは、π(円周率)216桁が世界を動かす重大性に気づくが、次第に自分も現実と幻覚の境が分からなくなってくる…

一応ストーリーはあるが、映像と音に身を委ねる作品です。

・中間色(灰色)を廃し、コントラストをはっきりさせた白黒映像
・激しいカット割
・一つ一つの音が際立ち過ぎた耳障りなSE
・冒頭からラストまでループする、クリント・マンセルによるテクノ/エレクトロニカ音楽

これらが一つの映画となり、脳内を刺激しまくります。

また"囲碁" "脳" "蟻" この映画の象徴するアイコンが、数学への悟りから狂気へと転がり落ちる悪夢の世界へと誘います。

塚本晋也監督の『鉄男』デヴィッド・リンチ監督の『イレイザー・ヘッド』の影響を強く感じつつ、次作の『レクイエム・フォー・ドリーム』の源になっています。

海外では『ストップ・メイキング・センス』と同様にIMAXフォーマットも公開された模様。
日本でもIMAXで再トリップしたいです。
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