三四郎

土砂降りの三四郎のレビュー・感想・評価

土砂降り(1957年製作の映画)
3.0
冒頭、会社の課長、佐田啓二、岡田茉莉子がビールを飲むシーン。結婚話をしている際に流しのアコーディオン弾きが演奏していたのは、灰田勝彦の「森の小径」だ。佐伯孝夫の歌詞がまた良くて好きなんだよなぁ。

父と母の過去の話を聞き、思わず同情しそうになったけれど…、それに対する桑野みゆき演じる娘の科白が至極真っ当過ぎてハッとさせられ、自分も知らず知らずのうちに不道徳を容認するようになっていたのかと我が心を恥じた。
「どんな事情があったって一人の男が二人の妻を持つなんて邪悪じゃないの!なんてったってお父さんの利己主義だわ!いくら苦しんだって罪は消えないわ!」「真剣でさえあれば相手を殺しても良いって言うの?」「お父さん!恋愛を完成するためには他を犠牲にしてもいいんですか!社会道徳を破壊しても、それでいいんですか!」

田浦正巳演じる長男もとっても良い奴。
最後に父親が裏ではなく表の玄関から出て行き、お妾家族との縁を切る…。母親も泣く泣く別れる…。
これでいいのだ。

日本橋の本妻の息子にカメラ?を買っていた際、店員さんの後ろの柱に貼ってあったのは、有馬稲子のポスターかしら。しかし、日本橋の息子二人の顔と身なりを見ると育ちが良さそうには見えない。お妾さんの子供たちの方が小綺麗なのが不思議…。
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