2023/10/8
序盤は松子と一夫の若い二人が微笑ましいけれど、タイトルに冠した通り、なかなかに重たい内容。それなりに大人の事情は分かっていても、母親が妾で連れ込み宿で生計を立てていることは、普通…
小津の世界から飛び出してきたかのような主要キャストたちが、小津とは似ても似つかない泥沼にはまる。だが基準点はあくまで小津的なホームドラマで、そこからの距離によってこの映画の差異は測定される。
子殺し…
このレビューはネタバレを含みます
連れ込み宿を営む妾の子、松子・岡田茉莉子。
勤めている役所の同僚(佐田啓二)と結婚話が進んでいたが、松子の家庭事情が明らかになると、男は破談にし、母親の言う通りいいところのお嬢様と結婚する。
松子が…
昭和のどん底家庭映画。男も女もぶっ壊れそうになって突然叫ぶ。叫ぶしかない。
佐田啓二のみすぼらしいこと!横切る列車の煙で別れた男女が同じく列車が横切るときに心中する。沢村貞子が死ななかったのはたまた…
岡田茉莉子の顔にあたるネオンの明滅する光。それは本来のネオンの光よりも明らかに過剰な明暗を伴っている。演出上の都合と言ってしまえばそれまでかもしれないが、そのフィクショナルな映画性に妙に心を動かされ…
>>続きを読む看板に偽り無く何とも不安げな豪雨が降る。岡田茉莉子と佐田啓ニのメロい部分にばかり目が行きがちだったがあくまで仮想敵は家父長制社会か。昨今の婚姻率や出生率の低下をその崩壊に向けての一過程と見れば微かに…
>>続きを読む蒸気機関車をバックにしたオープニングクレジットがかっこいい。やはり蒸気機関車は映画的だ。その後も何度も登場。一つの映画の中で「蒸気機関車のある生活」がこんなに印象的に描かれている映画を初めて見た気が…
>>続きを読む土砂降りの雨の日に。
佐田啓二と岡田茉莉子によるメロドラマ。
監督は中村登。女性映画なのだろう。
結婚まで漕ぎ着けた女性が連れ込み旅館の妾の娘だとバレて破談に終わり、絶望して堕落していく。一方で相手…
冒頭、会社の課長、佐田啓二、岡田茉莉子がビールを飲むシーン。結婚話をしている際に流しのアコーディオン弾きが演奏していたのは、灰田勝彦の「森の小径」だ。佐伯孝夫の歌詞がまた良くて好きなんだよなぁ。
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