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土砂降りのchiyoのレビュー・感想・評価

土砂降り(1957年製作の映画)
4.0
2023/10/8
序盤は松子と一夫の若い二人が微笑ましいけれど、タイトルに冠した通り、なかなかに重たい内容。それなりに大人の事情は分かっていても、母親が妾で連れ込み宿で生計を立てていることは、普通に口外できることではない。案の定、松子と一夫の結婚は破談となり、松子は何もかもを捨てて家出。そんな松子演じる岡田茉莉子、後半にみすぼらしい恰好で登場する一夫演じる佐田啓二、二人の演技がさすがの一言。が、本当の主役は松子の母親演じる沢村貞子で、愛する男性から離れられない性がラスト直前で爆発する。結局のところ、表向きは大久保と別れていても、彼女の中では全然消化できていないような気がする。例え、それが原因で娘を亡くしていても。なお、次女・梅代演じる桑野みゆきは、本作の7年後に同じ中村登監督「夜の片鱗」で主演。こちらも女性が辛い作品。
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