恋する惑星

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版の恋する惑星のネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

「撃つ時は喋るな」
まさかこの卑劣漢からリー師匠の「敵から目線を切るな」に匹敵する格言を聞かされるとは。
イーストウッドは何頭身?てくらいスタイルよくてかっこよくてポンチョとハットがめちゃくちゃ似合ってる。腕が良くて頭も切れる。
だけども途中から卑劣漢から目が離せなくなった。我欲の強さからくる諦めの悪さ、しつこさ。ヤツは絶対ギブアップなんかしない。最後の最後まで妥協せずチャンスを狙っている。その気持の強さは観ていて井上尚弥を思わせる。尚弥のどんなに相手が逃げ回っても、判定勝ちが明確でもKO勝ちを諦めず仕留めにいく、その「絶対に倒す」という拘りと、卑劣漢の「あくまでお宝は独り占め、俺が全部頂く」というその自分の満足に対しての妥協のなさに重なるものを感じた。欲が強すぎて勝ち筋(自分より腕がたち頭も切れるイーストウッドは味方につけるべき。まぁ序盤で裏切られているから無理か)を見落としたが、尚弥は最後までリスク管理は怠らずKOパンチへ組み立てた戦いをする。その辺り尚弥の、卑劣漢とは違う結果を出すゆえんだろう。でも笑顔の素敵さは卑劣漢の勝ちかも。チョウ・ユンファか!といいたくなる笑顔だった。

面白かった。その後のいろんな映画に模倣されてるなと感じた(その元も黒澤なんだけど)。リーサル・ウェポンのあのシーンも元ネタはこれだったのか!悪漢探偵でカウボーイハットを被ったカール・マッカが登場するたび流れてたあの音楽も元ネタはこれだったのか!ブレードのあの風景も元ネタはこれだったのか!天使の涙のレオン・ライの最期の視線カメラも元ネタはこれだったのか!

テンポに緩急つけて(長い。ちと長過ぎる)
南北の橋の攻防戦も泣く泣くバッサリ切ったらもっと良くなった。

ラスト緊迫の3人の勝負をたっぷりと時間を掛け、ピークに達した緊張感からの卑劣漢のノー装填は最高だった。北野武とかサモ・ハン・キンポーとか大好きそう。いやみんな大好きか。

2日続けて砂漠が風景の映画観たな。
うーん。かっこよかった!!音楽も激シブ!!

塚口サンサン劇場。圧倒的熱量の素敵な劇場でした。4Kには対応してないですよね?
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