高校生くらいのときにカポーティの原作を読んで、ホリーが分からなさすぎてなんだかそのままになっていた。倍くらい歳を重ねた今初めて映画館で見て、ホリーに共感しすぎてずっと苦しかった。この変化は映画版だからなのか歳のせいなのか。
言うてしまえばパパ活で派手ながらその日暮らしをしている女の子と、小説書く書く詐欺中のヒモ男が同じアパートで、くっつきそうでくっつかなくてああだこうだとする話。うんざりするようなパーティシーンとか、ステレオタイプなのかなんなのか最早分からんジャパニーズイメージとか、タバコの吸い方捨て方ねこの扱い方もうやだ! とは思ったけれども、
そんなもの置いといてしまえるくらいにオードリー・ヘプバーンが魅力的で素敵。わがままで他人の迷惑なんてほとんど考えなくて、でも美しいだけでなく、言葉選びとか行動も一々予想外で面白い。自分の機嫌の取り方を知ってるのもいい女の証! そして彼女は、男を手玉にとってはポイ捨てしてしまう達人でもある。
彼女にとって愛は自分を縛るもので、遠ざけることで自立できる、自由になれると思っていたはず。もしくは兄のため、お金のためならその中に飛び込むことで、窮屈ながらも安定した暮らしができると信じていたはず。
でも「やったことのないこと」を一緒にやれる相手となら、きっと新しい未来に向かえるよね。この映画に影響されすぎて、鑑賞後は今まで入ったことのないお店で散々買ったことのないものを買ったりしましたとさ。それはちょいと責任転嫁が過ぎるか。