本好きなおじぃ

好きでも嫌いなあまのじゃくの本好きなおじぃのレビュー・感想・評価

3.3
高校生の男の子・柊は、なかなか人のことを気にしてしまって自分の本心を打ち明けられない、そんな青春、あるいは思春期真っ盛りの子。
あるとき、お祭り会場で困っている女の子を発見。
手助けをすると、困っているということでまんまと家へ招くことに。その子は、ツムギ。ツムギに泣きつかれて柊は家に泊めることに。
柊の家で団らんしていた二人だったが、柊の部屋に突然、空を浮遊する謎の怪物がやってくる。柊が怪物に食われるかもしれないと悟ったツムギは、すかさず柊とともに家を飛び出す。
ツムギは実は鬼の隠れ里に住む女の子で、ツムギはお母さんに会うために人間界へ来たのだという。そのお母さんに会うために、柊は実家に何も告げずツムギとともに旅を進めることに。
旅のところどころで、謎の怪物に襲われそうになりながらも、少しずつツムギのお母さんがいるはずの場所へ近づいていくが、そこにはある人がいて―――

この映画は、柊とつむぎが共に旅をするロードムービーになっており、その舞台に山形県が選ばれている。山形県は筆者の出身であり、米沢市や上山市など、私にとっては見覚えのある風景が満載になっていました。見覚えがありすぎて冷めてしまう部分も多少ないではないが、それよりも柊とツムギが親の心配をよそに走り回り、自分たちで生き抜こうとする姿にハラハラさせられながらも応援する気持ちでいっぱいだ。

親を心配させまくった、柊とツムギの冒険はどうなるのか。
柊は親元へ帰ることができるのか。ツムギは母親と会うことができるのか。
そして、その怪物はどうして生まれどうして柊を襲ったのか。
二人の旅の結末はいかに。

制作のスタジオコロリドは、初の長編映像作品としては2018年の森見登美彦原作「ペンギン・ハイウェイ」や、Netflixでの公開になっている、2020年「泣きたい私は猫をかぶる」などをはじめ、数々の映像作品を送り出す設立後10年ちょっとの比較的若いスタジオになっています。

試写会に参加させていただきまして、絵の瑞々しさと、主人公たちの葛藤と成長がとてもグッとくる映画でした。