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情熱の王国のKUBOのレビュー・感想・評価

情熱の王国(2021年製作の映画)
4.0
今日の試写会は『情熱の王国』特別試写会。

昨年91歳で他界したスペインの巨匠カルロス・サウラ監督、最後の劇映画。

「ミュージカルを作るためのミュージカル」

って、何のことだかわかりにくいけど、ある演出家が新しいミュージカルを上演するまでの、オーディション、ダンス練習、その間の恋愛や事件などを「映画」にした作品だ。

まず、90歳とは思えない、エネルギッシュでカラフルな舞台映像。素晴らしいメキシコ音楽にのせて踊るダンサーたちが上手い!

練習期間の俳優同士の恋愛は、いっしょに見に行った女優さん曰く「俳優あるある」。主演のアナ・デ・ラ・レゲラ、マヌエル・ガルシア=ルルフォらが美しい。

交通事故で半身不随になった女優が振付師として新しいミュージカルに取り組むところから始まる舞台は、スペイン版の『ウエストサイド』のような若いキャストの物語を経て、政治的なメッセージのあるラストを迎える。

本作自体、素晴らしかったけど、実は完成したこの「ミュージカル」の本番を通して見たい思いに駆られた。

舞台上演まで、その青春や人生をかけて情熱を燃やす演出家、振付師、若き俳優たちの熱い日々描いた、カルロス・サウラ監督の遺作『情熱の王国』、素晴らしい作品だった。
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