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カムイ外伝のtoriten45のレビュー・感想・評価

カムイ外伝(2009年製作の映画)
3.1
原作は漫画家白土三平のライフワーク『カムイ伝』シリーズです。その画風は独特で荒々しく、力強い線が特徴。キャラクターの表情や動きにはリアリティがあって、自然や風景の描写も細部まで丁寧に描かれていて大好きでした。1964年から続く忍者モノで第1部、第2部、外伝から構成され、江戸時代の厳しい差別社会の中で自由を求めて戦う人々を描いた未完の大作。

『カムイ伝』の世界は差別と不条理を描いていて、主人公カムイは抜け忍。掟の厳しい忍者社会から追われるカムイ以外に、百姓一揆を先導する農民の正助、政争に巻き込まれて流浪の身となる武士の竜之進が交わり物語が進む群像劇です。内容が濃密なので繰り返し読んでも、その世界にめり込んでしまう名作でした。

実写化された本作はその一部を描いていますが、冒頭のワイヤーアクションやCGがかなりがっかりで、中盤で登場するサメなんかはなんと言い表したらいいか…ゼットきゅ……ちょっと入り込めなかったかな。
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