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CURE キュアのgrpcdのレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
4.7
久しぶりに生涯ベスト級の作品に出会えた。首元が×印に切り裂かれた連続殺人事件を追う限りなくヨッピーに近い役所広司が主人公のサスペンスで、『多重人格探偵サイコ』あたりを彷彿とさせる20世紀末の空気がくっきりと刻印されている。間宮さんマジルーシー・モノストーン…
謎めいた青年の囁きが導くのは深層心理に隠された悪意なのか。まるで自分も暗示にかけられているかのように、画面から放たれる不穏な瘴気がじわりじわりと脳内に侵食していく。
濱口竜介が影響を受けたというのも納得で、それこそ『ドライブ・マイ・カー』の車内を満たすあの空気にも似た、映画という枠には収まりきらないもの凄い何かが劇中に渦巻いている。
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