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魔性の夏 四谷怪談よりのmitakosamaのレビュー・感想・評価

魔性の夏 四谷怪談より(1981年製作の映画)
1.7
スカパーにて。四谷怪談モノとして見たかった作品だったのだが、見ない方が良かったかも(笑)
後に嗤う伊右衛門もつくる蜷川幸雄監督作だが…この人映画はからっきしだよね。演劇の偉い人として威張り散らしてるイメージあるけどさ…

歌舞伎の原作にアレンジが加わるのは、どの四谷怪談映画にもある事。
今作で言えば、
1.宅悦が盲目の按摩でなくなり、伊右衛門のチンピラグループの1人。
2.お袖が宅悦への借金で地獄宿で働くのではなく、父の四谷左門に岡場所に売られたことになってる。
意外にも変更箇所はコレくらい。

ただ演出だよなー。
伊右衛門に萩原健一。演技は悪くないけど、キャラクター設定がチンピラグループを率いる小悪党。
本来の伊右衛門は、クズはクズに違いないのだが腹が据わっていて大物感が漂ってるんだよなー。だからこそ岩の怨念も活きる訳で。
そりゃ伊右衛門のスケールが小さくなれば物語も縮小するよ。

そしてサントラに何故かメロウなクラシック音楽。(バッハ?)意外性を狙ったのだろうが違和感しか無い。

お岩さんに関根恵子。美人。だが毒薬で顔半分が崩れる描写もあまり変化無し。霊になってから伊右衛門を追いつめるのもコントみたい。

お袖に夏目雅子。演技上手し。直助権兵衛に石橋蓮司。
お袖が妙にサバサバしてて悲壮感は一切無い。
与茂七が帰ってきて、直助を斬り、伊右衛門とも戦う。

与茂七vs伊右衛門のチャンバラがさ、二人して坂を転げ落ちろ所から始まる珍演出。なんだあれ???その後はヘトヘトになってグダグダに刀を振り回す。与茂七は四十七士の剣士だろ?なんであんなにスタミナが無いんだ?

梅もイカレた女だし、何から何までダメダメ臭がキツい。
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