マーくんパパ

わが道のマーくんパパのレビュー・感想・評価

わが道(1974年製作の映画)
4.0
新藤兼人だなあ!とことん弱者に寄り添う視点ととことん権力者側の怠慢を糾弾する姿勢。出稼ぎ行方不明者となった夫が知らない間に身元不明者として処理され医大の解剖実験材料にされていた実話の映画化。雪深い寒村で廃業寸前のラーメン屋営む乙羽信子と夫の殿山泰司、一緒の暮らしでは生活保護も申請できないと言われ老体に鞭打ち出稼ぎに…そこから悲劇が始まる。前半はカツカツ生活する夫婦の生活風景、後半は一転緊迫した裁判闘争とメリハリ効かせて引き摺り込まれる。急場凌ぎに修復された遺体を覗き込むワンシーンか夢でうなされそう。