Omizu

情熱なき犯罪のOmizuのレビュー・感想・評価

情熱なき犯罪(1934年製作の映画)
3.6
【1935年キネマ旬報外国映画ベストテン 第10位】
『白い恐怖』『モンキー・ビジネス』などの脚本家として知られるベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサー監督作。

悪徳弁護士が歌手の女を捨て金持ちの女に乗り換えようとするが…というノワール。

冒頭の「運命の三女神」はよかった。女神というか悪魔?まあギリシャ神話の三女神は老婆で醜いから合ってるんだけど。

全体の技巧という面では凝っていてよかった。怪奇映画のような不気味さとドイツ表現主義のようなシュールさがある。

演出もなかなかよく、意外性のある展開と丁寧な犯罪描写はいい。

力尽きたのか終盤ドタバタと終わっていくのが惜しい。今の女に犯罪を自白するあたりから力尽きた感が…

最後をもう少し丁寧にやってくれればノワールとして完璧だったんだけど。

でも全体としては嫌いじゃない。やろうとしたことは分かるし見せ方もよかった。悪夢の中に迷い込んだかのような感じはよかった。
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