富樫鉄火

恐山の女の富樫鉄火のレビュー・感想・評価

恐山の女(1965年製作の映画)
2.5
五所平之助大会@フィルセン。
外部プロ製作の松竹映画だが、日活で売り出した吉村実子に、大映の川崎敬三や、東宝の中北千枝子などが出ている、ちょっと不思議なヴィジュアルの映画だった。
これまた脚本構成がゆるい、しかし、ある種の「怪作」。
最初の2人の男の死を、もっと畳み込むように展開しないと、3人目の話が生きてこない。
特に川崎敬三が登場して以降は、無茶な実験交際、あまりにいい加減な川崎の死、エクソシスト的展開と、ずさんの極み。
そもそも、除霊の場所は、船で来た場所なのに、東野英治郎が歩いて帰るとは。
また、吉村実子が気絶したのかと思いきや、いつの間にか死んでいたなど、細かい設定や演出がいいかげん。
どうも吉村は『豚と軍艦』の威勢のいい娘があまりにはまりすぎていて、その印象をまだ引きずっているように感じた。
もっとはかない感じの娘であってほしかった。
富樫鉄火

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