このレビューはネタバレを含みます
とても美しく数奇な偶然のお話だった。
中学時代の藤井樹と藤井樹、大人になった藤井樹と渡辺博子、藤井樹が亡くなってからのそれぞれを繋ぐ手紙。周りの人々。
色んな人の愛情がこもった素敵なお話だった。
おじいちゃんが電話にもたつくシーンとか、あえてお父さん(息子)の死を自分の責任として、救急車より早く病院に着いたけどダメだったことお母さんに言わなかったこと、
博子の婚約者に先立たれて気持ちの整理が中々つかずいる様子、それを秋葉さんが自分の気持ちを我慢しつつ支える様子、
樹さんの中の中学時代の恋愛未満の恋ごころを思いだしつつ、途中その悲報を偶然知り、複雑な気持ちを抱えつつもその事を博子には伝えず、手紙を続ける優しさ、
色んな優しい気持ちに博子は救われ、雪山で想いを叫ぶシーンに繋がる。
そして亡き樹のプロポーズの時の話や、松田聖子の歌の話を共有する事で現在の樹の想いが博子達に、また、中学時代の告げられなかった樹の想いが、現在の樹さんに伝わった。それぞれが藤井樹という男性と過ごした時間にひとつ区切りをつけた。そんな映画でした。
