海風

ロゼッタの海風のレビュー・感想・評価

ロゼッタ(1999年製作の映画)
4.6
男と酒にすがり、オンナを売り物にしてしか生きていけない母。そんな母親と暮らしているロゼッタは、プライドが高く自尊心が強い。オンナだからって社会に舐められたくないけれど、そうせざるをえない現実。生きるって難しくて苦しい。

感情表現が的確で、カメラワークもまるでそこにいるかのように感情移入してしまった。
「こんな状態でも生きちゃってる」そんな複雑な内面がよく表現されてるんです。

貧乏だからこそ人を簡単に頼ると、哀れみの目で「可哀想に」と軽い言葉を投げてくる人が多い。そんなのが嫌なんですよ、困ってるけどそんなこと言ってる暇さえない。しがみつくのに精一杯。劣等感を口にして「助けて」と言ってしまうほど か弱くいられるもんか。
そんな精神で生きちゃってる。
泣くもんか、泣いてしまうもんか。

ベルギーワッフルを食べる時が来たら、きっとこの映画を思い出すだろうな。
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