このレビューはネタバレを含みます
シェイクスピアの「リア王」をベースに、
日本の戦国時代を舞台として描く。
毛利元就の「三本の矢」を否定するifにて。
舞台が全く違うのにきちんとシェイクスピアで面白い。
マクベスからの「蜘蛛巣城」と同様、単にベースとなる作品を借りるのではなく、
本質はそのまま、その舞台として合うように変換されているのがすごいなぁ、と思う。
リア王の舞台観て本を読んだばかりだったので、
それとの比較ができて楽しかった。
まあ、楽しいといっても、
冒頭の巻狩りからどんどん不穏になっていき、
狂う秀虎を中心に話が巡っていくのだが。
この作品では、秀虎に過去の業を重くのし掛からせるのね。
因果応報としての要素はあるのだろうけど、
一国の繁栄を築いた主、子らがこのような最期は諸行無常感。
現代でも、オーナー企業など通ずるものがあるのでは。
しかし、今この作品制作するのは無理だろうなぁ、
と思うほどの迫力ある合戦や城のシーンが目白押しだった。
機会あらば、いつかスクリーンで観てみたい。
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・鶴丸って野村萬斎だったのね。
最後のシーンが印象的。
・城、本当に燃えてる..と思ったら、セット作って燃やしちゃったのね。ダイナミック。
・札幌交響楽団、あれ、もしかして、ヤマザキマリのお母様在籍中の音源では?