このレビューはネタバレを含みます
泣いてもいいかと訊ねるふみに対して
好きなだけ泣くといいといって
膝を貸してあげた寅次郎の
男らしさが素敵だった。
男はつらいよをシリーズを追って
見ていくにつれて初めは考え方が
古風なイメージが強かったが
最近の寅さんは男らしさが
最大の長所となっているように
感じる。
普段はフラれるとその日には
年末は稼ぎどきだと言って旅に出る
寅次郎だが雷が鳴る大雨の外を
眺めながら感傷に浸る姿が
とても印象的だった。
今回のとらやでの揉め事は
自分の一言で社長が
自殺してしまったのでは無いかと
川を探し歩くシーンが
寅さんの熱い人情を顕著に
表していて素敵だった。
後味が悪い別れではなくて
最後に長崎の対馬まで会いに行ったのが
ハッピーエンドな感じで素敵だった。
対馬の引きの絵も素敵だった。
源公の背景に触れられることは
無かった(過去には名前も忘れられた)が母親は自分を産んでから男と逃げてしまったという過去があって謎に包まれていたからこそとても悲しかった。謝る寅次郎だが直後に源公が足を滑らせて転けたおかげで
中和されたシーンだった。
寅さんが帰ってきてしっかり関西訛りが
移っていたがそれに触発されて
とらやの面々が関西弁になってたのが
面白かった。
さくらの「おおきに」とおどけた姿が
とても可愛かった。そして
後ろ姿の髪がツヤツヤしていて
見惚れてしまった。
大阪の宿屋の旦那と寅次郎の
友情がとても素敵だった。