ちろる

ATOMのちろるのレビュー・感想・評価

ATOM(2009年製作の映画)
3.5
手塚治虫の中でも最も世界的に知られているキャラクター鉄腕アトム。
この誕生の物語をハリウッドがCGアニメーションで現代的に再現した本作。
手塚治虫作品好きだけど、実は鉄腕アトムはアニメーションで観たことはこれが初めて。
CGになって、顔が少し違うことにはじめは多少違和感ありましたが、かなりお金かけているだけあって映像はかなり美しく観やすかったです。
ちなみに声優もかなり豪華でお茶の水博士はビル・ナイ、アトムの生みの親でもあるデンマ博士はニコラス・ケイジが演じてます。

ストーリーはアトムがなぜ、ロボットとして生まれるこのになったのか、百万馬力のスーパーヒーローとなったのか、その悲しい誕生の秘密を丁寧に描いているとこによってアトムの葛藤や苦しみにもとても共感しやすいのがいい。

空中都市であるメトロシティと、人間たちがとっくに捨てた地上の荒廃した世界の対比も、映像がとても鮮明なCG映像であることによってより臨場感が増し、捨てられたAIたちの残骸や貧しい孤児たちの存在は人間たちの愚かさを突きつけられているようである。
この描かれる未来はもう私たちにとってそう遠くない未来。
何十年も前に手塚治虫がこの作品を通して描いた未来への警告をこの、リ現代版鉄腕アトムを観て胸に刻みました。
オリジナルのアトムに思い入れがある人はちょっと、、って気分になるかもしれませんが、ギリギリのところで調整してしっかりと手塚治虫の意志を汲み取ったこの作品、私は嫌いではありませんでした。
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