ねまる

クロコダイルの涙のねまるのレビュー・感想・評価

クロコダイルの涙(1998年製作の映画)
3.5
ジュード・ロウ演じる美しき青年。
自分のことを愛している人の血を吸わないと生きていられない体質という設定。

ごく自然に出会い、自分に恋に落とさせ、愛させてから、首もとにガブリ。
そのやり方も、人間らしからぬ背面も、なんだか妙に印象的。

薄みがかった色彩に、血の赤だけはやけに鮮明なこの作品の持つ奇妙さと、主人公に惹き込まれる。
何よりもジュード・ロウの美しさがこの作品の要。ミステリアスさの裏にある本性が見えた時、怖いと感じる女性たちの感覚に共感出来るのに、何故か彼を美しい、儚い、愛おしい、哀しいとさえも思えている。

いつものように自分を愛させようと策を講じるのに、これまでとは違う相手への愛を感じてしまう。
血を吸ってしまわないように葛藤する主人公。
そんな哀しき男の物語を見た。
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